ミッション・ビジョン・バリューとは何か?|企業の軸を決める言葉

最近、いろんな企業がミッション・ビジョン・バリューといった
言葉を用いて、経営理念や経営ビジョンを打ち出しています。

しかし、いざ自社のミッションやビジョン、バリューを打ち出してみよう!

としても、いざ言語化しようとするとまとまらない…

といったことがよくあります。

もし、あなたが似たようなお悩みをお持ちなら、この記事を読むことで

ミッション、ビジョン、バリュー

3つの言葉の使い分けがはっきりするでしょう。ぜひ最後まで読んでみてくださいね。

「ミッション」とは何なのか?

ミッションの定義

まず、ミッションとは何でしょうか?
英語ではMission。使命や役目、任務、天職を意味する単語です。

企業や学校、団体におけるミッションも同様で
「あなたの組織は何のために存在しているのですか?」
という問いに対する答えとなります。

突き詰めていけば、経営者あるいは従業員一人一人に対し

「あなたは何のためにこの組織で働く(学校なら学ぶ)のか?」

を問うこと。そしてさらに

「あなたは何を成すために生きるのか?」

という根本的な人生の意味への問いにもつながります。

ミッションを定め、浸透させる意味

ミッションを定めて発信し、社内外に浸透するとどんな効果が期待できるのでしょうか?

外部に対しては、お客様やパートナーに対し「どういう存在意義を果たすか」
明確になります。

社会に果たす責任や提供する価値が発信されることによって、
企業のイメージが高まっていきますし、ブランディングにもなるでしょう。

もしお客様が商品やサービスの機能よりもあなたのビジネスの軸に魅力を感じて下さるようになれば
競合の同業他社との価格競争をしなくてすむようになる可能性も十分ありえます。

内部に対しては、組織全体の運営する土台の考え方が定まり、従業員など
構成メンバーには「そこに所属する上で果たすべき役目」が自然と問われていきます。

単なる雇用条件などの機能ではなく、組織のあり方そのもの、つまり
ミッションに共感したメンバーだけが残っていく文化が自然と出来上がっていくのです。

単なる雇用条件だけに左右されないメンバーが舵をとる組織は、進む先がぶれにくくなります。

困難にあっても、ミッションに基づいて、各自が考え
自発的に行動できる組織ができやすくなります。

これがミッションを定める意味であり、見込まれる効果です。

「ビジョン」とは何か?

ビジョンの定義

次に、ビジョンとは何か?を考えてみましょう。

ビジョンは英語でVision。先見の明や未来像を意味する単語です。

企業や学校、団体におけるビジョンでは

「あなたの組織の未来はどのようにしていきますか?」

という問いに対する答えとなります。

ミッションは過去から現在の棚卸しであったことに対して
ビジョンは、ミッションをふまえた上で描く青写真そのものです。

企業であれば、将来の経営戦略が問われる部分といえるでしょう。

単なる未来図だと「計画目標」でしかないのですが、
ミッションを軸にビジョンを描く場合は、

組織や事業者の一生をかけて叶えていくための未来図

とイメージすれば理解しやすくなると思われます。

残念ながら日本企業の多くのビジョンは、単なる計画目標なことが多く
本来のビジョンとは違う意味で言葉が使われていることも多いのが現状です。

2.2 ビジョンを定め、浸透させる意味

ビジョンを定めて発信し、内外に浸透したらどんな効果があるでしょうか?

外部に対しては、お客様やパートナーに対し「どんな未来を描きたいのか」が明示されます。

ビジョンが明確であれば、あなたの組織に対する期待は高まるでしょう。

内部に対しては、組織の向かう未来をメンバー全員が共有できれば、
従業員などの構成メンバーには「望む未来を実現するための行動をとる力」
自然と培われます。

ミッションはビジョンの土台となるため、2つの方向性は同じはずです。

もしミッションとビジョンがあまりにもかけ離れていたら、方向性や言葉のズレをチェックすることをおすすめします。

「バリュー」とは何か?

バリューの定義

さらに3つ目の「バリュー」について、定義してみましょう。

企業や学校、団体におけるバリューとは「価値観」。

つまりあなたの組織が大事にしている価値とは何ですか?」
という問いに対する答えとなります 。

企業であれば、利益はもちろん極めて重要です。

特に創業期など初期の段階であれば、ミッションやビジョン、バリューなどを決めるよりも
まず売上をたてることが最優先になります。

しかし利益を生み出す源はお客様であり、商品・サービスに対して
価値を感じて下さるからこそ、お金が支払われるわけですね

企業であれば、「どんな価値を提供して、お金を得たいのですか?」という問いと
バリューは非常に密接な関係にあります

レストランだとしたら、すぐに食事を提供してお手間をかけないサービスを
価値とするファーストフードと、ゆったりした時間と接客を楽しむフレンチでは
「提供される価値」の内容が異なるでしょう。

前者のバリューが例えば「お客様の時間や費用コストを削減する」こととして
後者のバリューは「最高に贅沢な時間をご提供する」ことかもしれません。

バリューを定め、浸透させる意味

バリューを定めて発信し、内外に浸透したらどんな効果があるでしょうか?

外部に対しては、お客様やパートナーに対し「大事にしている価値感」
明示されます。

バリューが明確であれば、実際に商品サービスを購入したとき、あるいは
組んでお仕事をするときにもイメージのギャップが生まれにくくなります。

価値感が同じお客様やパートナーと一緒に仕事ができると、生産性や効率
そして何より仕事のしやすさが向上します。

内部に対しては、組織の価値感がメンバー全員に共通していれば、
共通のマインドセットを持って経営に関わっていくことができます。

従業員などの構成メンバー間のコミュニケーションの齟齬が生まれにくく
なりますし、お客様へのサービスも高いレベルで質を保てます。

ミッション・ビジョン・バリューの関係とは?

ミッション・ビジョン・バリュー。

この3つの考え方は互いに関わり合っているため、理解するときに混乱してしまいがちです。

あらためて、それぞれの関係性を整理してみましょう。

時間軸で考えるミッション・ビジョン・バリュー

まず、ミッション(使命)とバリュー(価値感)は、過去から現在までの
棚卸しの結果であると言えます。

それに対して、ビジョン(未来像)は未来の青写真ですから、まだ確定しない
計画です。

ここで、地図を書くイメージを持って頂ければと思います。

  • ミッション…現在地、今の姿勢
  • ビジョン…目標地点、目指すゴール
  • バリュー…目的地までのルート選びの基準

経営には戦略が欠かせませんが、戦略を立てるとはまさしく
「地図を描くこと」
です。

つまり、ミッション・ビジョン・バリューの言語化は組織の戦略と
向き合い実践していくためのプロセス
なのです。

ミッション・ビジョン・バリューはどこから決めるべきか?

では、ミッション・ビジョン・バリューを決める場合、どのような順番が適切ででしょうか?

もちろん組織ごとのやり方があり、これまでに経験してこられた経営の
仕方次第で柔軟に考えていくべきでしょう。

しかし、基本としては、「ミッション」からの策定がオススメ。

なぜならミッションは現在地であり、3つの考え方の中でも土台に位置する部分だからです。

ミッションを策定するためには、経営者の方や組織のトップの今までの経緯をひもといていくことになります。

ミッションを決めている過程で、自ずと「バリュー」となる価値感が
見えてきますし、ミッションを定めてからの方がビジョンが描きやすいです。

トップの方の棚卸しができたら、バリューやビジョンは他のメンバーの知恵を
借りながら、全員で納得のいくミッション・ビジョン・バリューを決めていくと
一番望ましいでしょう。

もちろんビジネスの段階は変わっていきますし、時代も変化してきます。

地図は修正していきながら、経営していくことになりますから、節目節目で
ミッション・ビジョン・バリューについて見直していくことになりますね。

5 まとめ

ここまでの内容をまとめると、次のようになります。

  • ミッションは過去から現在の棚卸しで見えてくるビジョンやバリューの土台。
  • ビジョンは経営戦略と密接に関わる未来の青地図。
  • バリューは価値をどう提供するかというマインドセット。

ミッション・ビジョン・バリューというのは、意外と自分だけでは気づけないことがあります。

特に、言語化するときはインタビューが得意な文章のプロにお願いするほうがスムーズなことも多々あります。

文章化が苦手な方は、一度ライターに相談してみるのも一つの方法です。

自社の軸を見直したいときには、ぜひ今回の記事w参考にしてみてくださいね。