「好きなことを仕事にする」「好きなことで生きていく」
そんな想いから起業の道を志す個人事業主がどんどん増えています。
起業塾などで学び、SNSで発信をくりかえし…
もちろんその方法で成果を出している人はそれでいいのですが
なかには「私は何がしたかったんだろう?」と自分の軸を見失って、起業に疲れてしまう人もいます。
好きなことを仕事にする、というのは当然甘い話ではありません。
けれど、仕事に夢中になれる熱量はビジネスを推進するための強力な武器となりえます。
どうやったらその武器をビジネスに正しく活かせるのでしょう?
ビジネスにおいて大事なのは、売上であり利益です。
しかし、好きなものにこそ人は情熱を傾けられるもの。
「あなたは何が好きなのか?「心の底から、何をしたいと望むのか?」
個人事業主になろう!と思う人は、自分のビジネスを幸せなものとするために、まずは軸を定めるべきです。
自分の軸がなんとなく言語化もできないままに、ただ成功している人の表面を真似ていくとどうなるか?
小手先のテクニックにはまってしまい、成果が出たとしてもなんだか満たされない。
そんなケースも残念ながら多数あります。
もちろん成果が出ずに、途中で挫折してしまうケースはさらに多いでしょう。
今回は、好きなことを仕事にするために必要な自分軸をどう定めればいいのか。
自分軸を言語化するためのコツをお話していきます。
目次
1好きなことを仕事にする」のワナ
「好きなこと」をきちんと深掘りできているか?
「好きなことを仕事にする」というときに、私たちはつい自分が持っている技術や経験の上っ面だけを考えてしまいがちです。
でも「本当に好きなこと」はよく考えると別のことだった、ということがあります。
ひとつ例を挙げてみましょう。
アクセサリーを作るのが好きな女性起業家がいたとします。
アクセサリーを作って、それをバザーなどで売ったり、人にあげて喜んでもらえるのが楽しくて、いつしか趣味を仕事にしたいと思うようになったのが、彼女の起業を志したきっかけでした。
さて、あなたが彼女ならどこから起業を始めますか?
いきなり仕事にするといっても、どうしたらいいのか分かりません。
本を読んだり、検索したり…きっとビジネスに関する様々な情報を集め始めるでしょう。
そうして、たまたま目に入った起業塾の広告だとか、オンラインコミュニティだとかにお金を払って飛び込むわけです。
さて、彼女はうまく起業家として成功するでしょうか?
起業初心者の「ビジネスの先生」選びのワナ
起業塾やオンラインコミュニティは当然ビジネスです。
例えば「月商100万円を達成させた人数××人!」というように華々しい数字を掲げて集客していますよね。
こういったコピーは魅力的ですし、実際月100万の売上を目指して頑張っている人もたくさんいます。
でも、月100万の売上を1回達成するよりも毎月10万の売上を安定して出すほうがどれだけ大変で大切なことか。
意外と多くの人は気づかれていないように思います。
月10万×12カ月=年間120万
あなたの仕事を継続して1年買って下さるお客様がいたら、それだけで単発の仕事よりも売上額が大きいわけです。
しかも、お客様との間には着実に1年かけて信頼が築かれています。その価値は、今後のビジネスでより大きな価値になります。
「起業して××年継続して月収××円以上売り上げている人数○○人」
といった長期的な実績を広告として打ち出している起業塾は決して多くありません。
大事なのはスモールスタートであり、継続。
けれど、見た目に滋味なので起業を志す人の心には中々刺さらないようです。
ビジネス初心者にとって、最初に選んだ「ビジネスの先生」の教えは全てといってもいいくらいの影響力を持ちます。
先生に言われたことが正しいのか間違っているのかの判断もつきにくいですから、言われた通りに行動をしようとします。
素直なことは何も悪くありません。むしろ長所です。
でも、素直と思考停止は全く違います。
自分なりの軸を持って、自分が目指すゴールのために、先生の教えを選び、実行する。
そして、仮に結果がうまく出なかったとしても、自ら検証し、トライ&エラーを行う。
起業は全て、自己責任。
致命傷にならないくらいの失敗をたくさんして、行動と修正を重ねていくことで確実に成長し、お客様に提供できる価値を増やしていくものなのです。
何をどう失敗していくかも、それをどう学びに変えるかも、全て自分で選ぶということ。
それが起業の大変さであり、楽しさです。
失敗を価値ある学びとしていくためには、自分の軸をもって挑戦していくことがとても大事です。
仮説を立て、行動し、見直して修正する。いわゆるPDCAのサイクルですね。
PDCAを的確に繰り返すためにも、自分が進むべき道を示す「軸」は重要な要素といえるでしょう。
個人事業主の自分軸:自分の方向性を見定めるということ
起業における自分軸とはどういうことか?
自分軸を知るためのきっかけは、自分の深堀りです。
「好きなことを仕事にしたい」のであれば、徹底的に自分の「好き」について知るところから始めるとよいでしょう。
先に例を挙げた趣味のアクセサリー作りで起業したい女性起業家の事例で考えてみましょう。
「アクセサリー作りが好き」だとしても、深堀りしていくと色々な面があることに気づくはずです。
- アクセサリーをとことん自分の美意識で細かく創るのが好き
- ファッションと組み合わせてご提案するのが好き
- お客様が喜んでくれることを考えながら作業に没頭できるのが好き
- 色んなブランドのアクセサリーを参考に作れるのが好き
- 好きな石やビーズを扱えるのが好き など
自分の内側を内観していく掘り下げ方もできますし、第三者の視点から掘り下げていくことも出来ます。
「好き」について正しく知るというのは、意外と難しいとやってみると気付くはずです。
内側を見つめる「好き」の掘り下げは、自分の強みなどの発見、そしてアイデンティティを言葉にしていくプロセスでもあると思います。
「あなたはどんな人なのですか?」の答えを見出していくわけですね。
- あなたの好きを、どうしてあなたが仕事にするのですか?
- あなたの好きでどんな未来を創り出していきますか?
- あなたの好きを仕事にするなかで、大事にしていきたいものは何ですか?
こういった問いをぜひ定期的に自分に投げかけてみましょう。
正しい答えはありません。今のあなたの心に沿う言葉であれば、それが正解です。
個人事業主として目指すべき方向性
ビジネスを組み立てていくときに、「自分はどんな方向を向いていたいのか」を言葉にしておくと、どんな困難が起こったとしても、最後まで諦めずにやり抜く力になってくれます。
仮に、趣味のアクセサリー作りで起業すると決めたAさんは先ほど紹介した問いを自分に繰り返した結果、このような方向性に行き着きました。
Q「私はどんな人?」
A「家族が好きで、家で出来る仕事だと家族に関わる時間が増えるから
うれしいと感じる。こだわりを持って作品を作るので、本当に気に入った
お客様にだけ提供できたら幸せと感じる」
Q「あなたの好きが創り出す未来は?」
A「自分の美意識を尊重できる人たちがもっと増えてほしい」
Q「どうして自分の好きを、私が仕事にするの?」
A「家族を大事にするあまり、自分が美しいものが好きということをずっと
がまんしてきた。大事なものを全部大事に出来る生き方を選びたい。
主婦でも美しくあることを楽しめる、それを私が示したい」
Q「好きを仕事にするなかで大事にするものは?」
A「家族との時間、作品を美しくするためのこだわりを徹底すること」
こういった軸を言葉にすることで、自分や自分の商品をどう見せればいいのか、誰にどんなメッセージを伝えていくべきなのか、が少しずつ見えてきます。
もしビジネスの先生に教えを請うのなら、あなたの価値観や描く未来をしっかりヒアリングし、理解を示して下さる成功者の方と出会えるとベストですね。
まとめ
起業は、「お客様を幸せにする手段」であり「あなた自身を幸せにするための手段」です。
だからこそ、きちんと得たい成果は何なのか?自分にとっては何が大事なのか?
あなたがどんな道を選ぶにせよ、ぜひそういった心の声にしっかり耳を傾けてから、自分の人生を見つめ直して見て下さいね。
自分の心と向き合う方法がよく分からなくなったら、こんな本もオススメです。