昨今注目されつつある資金調達手段である「ファクタリング」というサービスをご存知でしょうか?企業だけでなく、個人事業主やフリーランスの方でも利用できる審査時間が短く入金が迅速な資金調達手段として利用者は年々増加しています。
目次
「ファクタリング」とは?
ファクタリングとは、売掛債権(請求書や注文書など)をファクタリング会社に買取してもらうことで資金調達できるサービスのことを言います。
このファクタリングは「借りない資金調達」とも呼ばれ、国(中小企業庁)も利用を促進しており既に海外ではメジャーな資金繰り手段の一つとなっています。
【参考サイト】中小企業庁:売掛債権の利用促進について
ファクタリングの仕組み
ファクタリングには、お客様とファクタリング会社のみで取引が完了する「2社間ファクタリング」と、お客様・ファクタリング会社・取引先会社で契約をする「3社間ファクタリング」があります。それぞれの仕組みを図を使って説明していきます。
2社間ファクタリングの仕組み
この場合、まず①お客様がファクタリング会社に売掛債権の買取を依頼します。そして、②ファクタリング会社による買取審査が完了(通過)したら、お客様の口座に(手数料を差し引いた分の)買取金額が入金されます。③取引先から売掛金の入金があったら、④お客様がファクタリング会社に回収した売掛金の支払いをする、といった流れになります。
3社間ファクタリングの仕組み
3社間ファクタリングでは、お客様の取引先にファクタリングを利用することに同意してもらうことが前提となります。
その上でまずは、①お客様がファクタリング会社に売掛債権の買取を依頼します。そして、②ファクタリング会社による買取審査が完了(通過)したら、お客様の口座に(手数料を差し引いた分の)買取代金が入金されます。そして、③ファクタリング会社が取引先から売掛金の支払いを受ける、といった流れになります。(※売掛先から直接ファクタリング会社に振り込みを行うので、お客様は振り込み作業の必要はありません。)
フリーランスや個人事業主の多くが一度は悩む資金調達。取引先によっては、せっかく仕事をしても売上の振り込みが数ヶ月先になってしまうケースもありうるため、キャッシュフローが一時的に回らなくなってしまうことがあります。[…]
「銀行融資」と「ファクタリング」の違い
次の表は、「銀行融資」と「ファクタリング」の違いを8つの項目で比較した表となります。一つひとつ違いを解説していきます。
銀行融資 | ファクタリング | |
取引内容 | 金銭の借入(融資) | 売掛債権の売買 |
調達可能金額 | 約300万円~3億円程度 | 売掛金の金額が上限額 |
金利・手数料 | 安い(金利2~6%) | 高い(手数料5~20%) |
担保・保証人 | 必要な場合が多い | 不要 |
審査対象 | 貸付先を審査 | 売掛先を審査 |
審査の難易度 | 厳しい | 比較的緩い |
資金調達までの期間 | 約2週間~数カ月 | 最短で即日 |
バランスシート上の分類 | 負債 | 負債には計上されない |
【比較①】取引内容
銀行融資の場合は「金銭消費賃貸契約」による金銭の借入となりますが、ファクタリングの場合は「債権譲渡契約」による売掛債権の売買となります。
【比較②】調達可能金額
銀行融資の場合は、多額の資金(約300万円~3億円程度)を調達可能ですので、設備投資などまとまった事業資金が必要な時に頼りになります。一方、ファクタリングの場合は売掛金の金額が上限額となっていますので自社が提供する商品・サービスの代金に応じて変わってきます。
【比較③】金利・手数料
銀行融資の場合は、審査結果や返済期間に影響されますが、比較的安い金利(2%~6%)で借入することができます。一方、ファクタリングの場合は、直接売掛先企業を審査できないため売掛債権が未回収になるリスクが高く、手数料が高め(5%~20%)に設定されることが多いです。手数料はファクタリングの種類やファクタリング会社によって異なりますので、事前に確認することが必要です。
【比較④】担保・保証人
銀行融資では、信用力のない企業(例:創業間もない、業績が不安定)が融資を受ける際、融資を受ける際に担保や保証人が必要となる場合が多いです。一方、ファクタリングは銀行融資と性質が異なる売掛債権の売買のため、担保や保証人がなくても利用できます。
【比較⑤】審査対象
銀行融資の場合は、貸付先の経営状況や将来性などの情報を元に審査するのに対し、ファクタリングでは売掛先を信頼度や支払い実績などの情報を元に審査することになります。ちなみに今のところ、売掛先が「法人」であることを条件としているファクタリング会社が多く見受けられます。
【比較⑥】審査の難易度
銀行融資の場合は、貸付先に返済能力があるかどうか厳しく審査される傾向にあります。特に低金利での融資を期待するとすれば、そのハードルは一段と高くなります。一方、ファクタリングは、銀行融資と異なり自社が支払うものではないので自社の経営が赤字の場合でも売掛先の与信に問題が無ければ利用することができます。そのため、ファクタリングは、会社規模や実績が十分でない理由で銀行融資を断られた企業の受け皿となる場合も多いです。
【比較⑦】資金調達までの期間
銀行融資では、事業状況や実績、借入希望金額、返済期間などの情報を元にしっかり貸付先を審査します。そのため、入金まで時間を要する場合が多いです(約2週間~数カ月)。一方、ファクタリングは書類の不備がなければ最短即日で入金してもらうことが可能となっています。オンラインに対応したファクタリング会社も増えてきており、最短数時間で入金してくれる会社も出てきています。
【比較⑧】バランスシート上の分類
銀行融資の場合、金銭の借入のため「負債」となりますのでバランスシート(貸借対照表)に影響が出ます。特に借入金額が大きくなれば負債超過に陥る可能性も出てきます。一方、ファクタリングは融資ではなく売掛金の売買ですので、バランスシートが傷つけられる心配はありません。
【結論】「銀行融資」と「ファクタリング」の活用ケース
どんな時に「銀行融資」を活用すべきか?
銀行融資は資金調達までに時間を要しますが、(審査が通れば)大きな額の融資を比較的低金利で資金調達することができる点が最大の強みです。
そのため、銀行融資は次のようなケースで有効と言えます。(但し、銀行融資の際、経営実績、経営状況、将来性が厳しく審査されます。)
- 事業拡大や大型設備投資のために多額の費用(数百万円~数億円規模)を資金調達したい場合
- なるべく低い金利で資金調達したい場合
どんな時に「ファクタリング」を活用すべきか?
ファクタリングは簡単な手続きだけで最短即日(遅くても数日以内)で手持ちの請求書・注文書などの売掛債権を現金化することができる点が最大の強みです。
そのため、ファクタリングは次のようなケースで有効と言えます。
- 黒字倒産(決算上は黒字だが資金ショートのため倒産してしまうこと)を回避するため一時的に資金繰りを改善したい場合
- 銀行融資が通らない実績が少ない会社、赤字経営の会社などが資金調達したい場合
- 受注予定の案件に備えて(その受注にかかる)外注費や材料費をなるべく早めに確保したい場合
- 銀行融資に頼って(バランスシート上の)負債を増やしたくない場合
このようにファクタリングは幅広いケースであなたの事業を力強くサポートしてくれる資金調達手段となります。
フリーランスや個人事業主の多くが一度は悩む資金調達。取引先によっては、せっかく仕事をしても売上の振り込みが数ヶ月先になってしまうケースもありうるため、キャッシュフローが一時的に回らなくなってしまうことがあります。[…]
まとめ
いかがでしたでしょうか?
本記事では、以下の内容で「銀行融資」と「ファクタリング」について詳しく解説しました。
- 「ファクタリング」とは?
- 「銀行融資」と「ファクタリング」の違い
- 「銀行融資」と「ファクタリング」の活用ケース
どちらもメリット・デメリットがありますが、あなたの事業の資金調達を強力にサポートしてくれると思います。
特に最新の「ファクタリング」は、緊急時の助けになるはずですので便利な資金調達方法の一つとして覚えておくといいでしょう。
最後までに読んでいただき、ありがとうございました。
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