マナビラボ

第18回 15歳の未来予想図

2016.12.07

いじめの危機から救い出してくれた
高校の恩師の粋な計らい
お笑い×インプロ(即興)×教育

かもめんたる x 中原淳 x モクレン(Part 2)

ラボ長の中原が、教育に熱意のある著名人の方をお招きして「これからの社会」や「これからの教育」についてざっくばらんに語り合う、「15歳の未来予想図」。

お笑いコンビのかもめんたるのお二人をゲストにお迎えしての鼎談企画、今回はPart2です。
引き続き「マナビの笑劇場」でお馴染みのモクレンのお二人にも、ご参加いただいています。

NHK講座「国語表現」に出演するなど、教育にお笑いをプラスする活動をしているほか、
お笑いを学びたい一般のひとに向けた講座も持ち、様々な手法を模索しながら教えているかもめんたるのお二人。
今回は高校時代の思い出について語っていただいています。
「スクールカースト」の底辺でも笑いを追究していた高校生活とは?!
そして、それを粋な計らいで応援してくれた先生とは?!

※「かもめんたる」
…岩崎う大さんと槙尾ユウスケさんのお笑いコンビ
…キングオプコント2013優勝
先月放送されたキングオブコント2016でも決勝に進出
…公式サイト:http://kamomental.com
…youtubeチャンネル:https://www.youtube.com/user/kamomental

 

→Part3は来週公開!

Part1はこちら:「『俺、入れない』っつって防衛して腕組みしてて『何が生まれるの?』」

 

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中原: ちょっとまた違った話題に進みたいんだけど、これ、マナビラボっていう、高校を元気にするっていうプロジェクトなんですよ。
そこで、「皆さんの高校時代、どんな高校時代だったんですか?」っていうことを、ちょっと聞きたい。
なんかこう、印象に残ってるワンシーン、差し支えない範囲で、あるかな、みたいな。
どんなもんですかね?

岩崎: 高校時代ですよね。

中原: 高校時代ね。

岩崎: 何かある人?

槙尾: いやまあ、この人(岩崎さん)はあれですよね。帰国子女なんですよ。

岩崎: そう、僕、また特殊なんですよ、そこも。

中原: あら、また特殊(笑)

岩崎: はい。オーストラリアで高校時代を過ごしたんで。

中原: オーストラリアで。

岩崎: はい。だから、ちょっと僕、特殊なんで、先に……

槙尾: 高校時代って、いろいろありますよね。
どうでしょうね。
僕は男子校だったので、例えばドラマで見たりとか本で読んだりする、いわゆる青春っていうのとは、ちょっとまた違ったイメージがありますね。

中原: 最近だと、『君の名は。』みたいな、ああいうイメージだね。

槙尾: ああいうの、憧れますね。
でも、中高一貫の進学校だったんで、すごい先生も厳しかったりとか。

中原: バリバリやられてたんですか?(笑)

槙尾: そうですね。
でも、僕は、その頃からちょっと芸人の「素質」じゃないですけど、ちょっと「種が芽生えてたんかな」と思うのは、面白い先生がいたら、陰で物まねとかしたりして、周りの人たちを笑わせてたっていうか。
でもそれは、本当に一部でやってたことで、クラスの「スクールカースト」の高い、結構かっこいいイケメン、当時は高校生が載るような雑誌があって、その雑誌とかに載ってた同級生もいるんですけど、そういう人たちには、ばかにされてるっていうか(笑)

中原: ご自身はちょっと低めなんですか?

槙尾: 僕は、スクールカースト低めでしたね。

岩崎: なんか演劇部じゃなかった?

槙尾: 演劇部も入っていましたね。
まずその先生の授業のときに一回、「おい、おまえ、いつもこの先生の物まねしてんじゃん。やれよ」とか言われて、授業中にみんなの前で物まねをやらされたこととかあったりとか。結構ね。

岩崎: それはどうだったの?

槙尾: そのときは、結構うけて、「よっしゃ!」みたいな感じだったんですけど

中原・矢島・野村: おお。

槙尾: 演劇部も自分で立ち上げてやってたんですけど、部員が3人しかいなくて。
それこそ、クラスでいつも僕が楽しませてる人たちを無理やり入れて、3人だけの演劇部だったんですけど。

中原: そうか。

槙尾: それでいざ演劇をやったときには、そのスクールカーストの高い人たちから、「おい、やめろ!」って言われて。
なんか舞台上に物が飛んできて。
途中でもう「つまんねえんだよ!」みたいな感じで言われて。
それでも幕は下りなくて、もう怒号が飛びまくり。

矢島: えらい舞台ですね、それ(笑)

槙尾: どんどんちっちゃくなってきて。

中原: 割と修羅場だね(笑)

槙尾: いや、かなりの修羅場でした。
15分ぐらいの演目だったんですけど、2時間ぐらいに感じましたよね、あれは。
って、そんなことはありましたね。

中原: 結構、修羅場経験してるみたいだけど……

槙尾: あのときはね。

岩崎: まあ、それもしょうがないですよね。
つまんないことやったんだから。
つまんないことやっちゃったんでしょう?

槙尾: まあね、それは……
「静かな演劇」みたいなのをやっちゃったんですよ。

中原・矢島・野村: ああ。

中原: モクレンの2人はどうなの?

矢島: 僕は、高校1年のときからお笑いを、元の相方とやってたんです。

野村: 中学でしょ?

矢島: そう、中学2年からやってて、高校のときからはいわゆるフリー、インディーズで、事務所入ってる芸人さんも入ってない芸人さんも出られるライブとかに出てたんですよ。
今で言うと、「ゴー☆ジャス」さんっていらっしゃいますよね、宇宙海賊の。
あの方がまだ出たてのときとか、ライブが一緒だったりして。
僕、実は会ったことあるんですよ、高校1年生のときに槙尾さんにも。

槙尾: え? 僕だけ? こっち(岩崎さん)じゃなくて。

矢島: ちょうどお二人が、まだ別のユニットでやられてたときに、僕も「M-1グランプリ」に出てまして。
僕らも3回戦まで上がって、「何のネタやる?」って話をしたら、「ナイツ」の塙さんがいたんです。
そしたら、今度はそこに槙尾さんが来て。
う大さんはいらっしゃらなかったんですけど。

野村: 知らなかったー!

矢島: 槙尾さんと僕、「初めまして」って言って、そこで実は会ってたんですけど。

槙尾: うそ!

矢島: 僕、今の今まで、この話はずっと言ってなかったですよね。
槙尾さん、絶対覚えてないだろうと思って。
僕は当時高1でしたんで。

槙尾: 高校生ですごいね! M-1グランプリの3回戦

矢島: そこで、「あの槙尾さんだ!」「よろしくお願いします!」って言ったっていう思い出はあります。

野村: そこが、ファーストコンタクトだったんだね!

矢島: そうです。

中原: びっくり?(笑)

槙尾: 全く覚えてないですね(笑)

矢島: そうですよね(笑)

野村: 槙尾さんなんて、死ぬほどライブやってますからね。

槙尾: いやいや。でも、そうだったんだ。

矢島: 新宿の「ルミネtheよしもと」ですよ。あそこでお会いしました。

槙尾: 高校生からそんだけやるっていうのは、すごい。超エリートだよね。

矢島: いや、全然エリートじゃなくて、ただ好きが高じて、今に至るだけですよ。
諦めが悪いだけです。

岩崎: なかなかそんな行動力ない。

槙尾: うん、高校生だと。

岩崎: 「まだ大学行ってからでいいや」って、自分に言っちゃうと思う、俺だったら。

矢島: いや、鬱屈としてたんですよ、ずっと。

野村: それこそこの人、スクールカーストで言ったらね……

矢島: スクールカースト最下層の人間ですよ、僕は本当。
泥水すすって、生きてきたような、中学時代なんで。

野村: 嫌われ倒してましたから。

矢島 嫌われ倒してた?(笑)

野村: なんか分かるもん! しゃべってて。

矢島: いや、お調子者なので……(笑)

槙尾: お調子者で嫌われちゃうの?

矢島: そうです。

野村: しゃべり過ぎるんですよ、多分(笑)

矢島: そうです。
お笑い番組とかテレビで芸人さんを見て、ネタが面白かったらそれをまねしたりとか、ちょっと別のことをやったりとかすると、それで最初はうけるんですけど。

槙尾: 人気者になるじゃん!

矢島: いや。
まねって、結局そこ止まりなんですよね。頭打ちで。
「ただただ声の大きい人のまねをしてるやつだ」って見限られる瞬間がやってくるんです。

岩崎: 分かるよ、だから……

矢島: 見限られると、もうやばい。

岩崎: うん、分かる。
だから、すごいきついこと言うけど、「面白さが足りなかった」っていうことだよね。

矢島: そういうことです。
だから、かりそめの、虎の威を借りながら、ずうっと……

野村: きつい、きついな(笑)

中原: きついよね(笑)

槙尾: トーンがきついよ(笑)

矢島: いえ、う大さんのおっしゃるとおりです(笑)

野村: おなかに来るやつですね(笑)

矢島: で、僕は中学のときにネタを書きためてて、「高校になったら絶対にやってやろう」って決めてたんです。

岩崎: でもそれが3回戦まで行くっていうのは、みんなを納得させたんじゃない?

槙尾: 3回戦はすごいよ。M-1で3回戦って、お笑いの世界だとかなりすごい。

岩崎: それこそ周りのみんなをもう、「実績でねじ伏せた」ということになるよね。

矢島: はい。
そこでガラッと変わりましたもん。
高校1年のときに、ガラッと変わりました。

岩崎: 話題になるでしょう?
「あいつ、M-1に出て、今までは面白くないと思ってたけど、俺らが間違えてたんだな」って。

矢島: そうですね。
それにしても、えぐってきますよね、う大さん(笑)
いや、おっしゃるとおりです、本当に(笑)

岩崎: すごいよ。

矢島: しかも、ちょうど関西のテレビ局が追ってくれたんですよ、ドキュメントで。

岩崎: それは変わるわ! それは変わる、確かに。

中原: すごいね!

矢島: アマチュア時代だったので、「アマチュアで3回戦まで上がった子がいる」って言って追ってくれて。
関西のあるテレビ局さんが。
そのビデオをテレビ局の方が送ってくれて、それをみんなで見たんです。
そっから変わりました。

岩崎: それ、教室で見たの?

矢島: 教室で。

岩崎: 先生が粋な計らいをしてくれたんですね。

矢島: そうですね。先生はすごくよい理解者でした。

岩崎: 「このままじゃ、こいつ、いじめられちゃう」って思ったんじゃないの?

矢島: 多分そうだと思います。

中原: 救ってやりたかったんですね。

矢島: 救われました。

槙尾: じゃあそろそろ、オーストラリアの話を……

矢島・野村: 聞きたいですよ!

岩崎: 僕は、それこそみんな、クラスでのカーストが低いって言ってましたけど、僕こそ低かった。
普通に、もう本当のあれです。
要は、現地校だったんですよ。
だから、オーストラリアの子どもたちが、97、98パーセント。
残り2パーセントが、東南アジア近いんで、タイ、インドネシアとかのお金持ちの息子さんが留学してきてて。
で、僕は、日本人1人、韓国の子も1人ぐらいいたかな。
このアジア勢が、全部で1学年に7、8人ぐらいで、あと200~300人は、普通の白人の生徒だったんですよ。
だから、結構、「差別」されてました

中原: そうですよね、多分。
そういう状況なら、そうでしょうね。

槙尾: 差別、重いな。

岩崎: 子どもなんで、みんなその当時。
しかも、田舎だったんですよ、オーストラリアの中でも。
パースっていう、西側の、シドニーと反対側のほうで、ちょっとそういう差別があるんですよね。

中原: 靴に画びょうとか、そういう系?(笑)

岩崎: そういう差別ではないですけど。

槙尾: それはまた「いじめ」っていう、またちょっと違うやつですよね。
もっとえぐいんじゃないですか。

岩崎: そうですよね。
寮がある学校だったんですよ。
寮が何個かあるんですけど、僕の下の学年のインドネシアの少年が、夜中にその子の寮からまた別の友達に会いに行く途中に、白人の生徒から襲撃されて、けがをしたっていうのが、新聞の1面に載りました。

中原: 割と、リアル『北斗の拳』みたいだね(笑)

岩崎: 危ない世界だったんですよ。
そんな大したけがではなかったんですけど。
いい学校だったんです、伝統ある。
そんな学校で人種差別が起きた、みたいなことで騒ぎになりました。

中原: 結構厳しいね。

岩崎: はい。ちょっと、特殊な上、特殊な話をちょっとしちゃったので……

中原: いや、いや、いや。

 

 

>>Part3は来週公開予定!

  • 取材

    中原 淳

  • 撮影

    松尾 駿

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